10年前にCLIEの進化を予言?

 まるで夏休みの宿題の追い込みのように、先々週図書館から借り出してきた真鍋博氏のエッセイ集『快適学への発想』を読み始める。もう10年以上前に出版された本*1だが、身辺の整理整頓の話から街のデザインや公共性の話まで、今でもうなづける批評が盛り込まれていておもしろい。「オモチャ化する文房具」というエッセイのなかで

ステーショナリーだ、カード化だといって、大人だって文房具をオモチャ化しはじめている。システム手帖もその一つ。ワープロや書斎も、オモチャのシステム化、空間化とさえいえる。

とまるでPDAの登場(もう登場していた?)を予言するような箇所に思いがけなくであい、そのこころは?と気になりながら読み進めていくと、最後に

多様化ということがいわれ、ラジオの付いたカメラとか、テレビゲーム付き腕時計とかが出て、(中略)どこかの部分が機能的なら、あとは遊びの部分−それが現代の商品の姿ではなかろうか、と。つまりは、物離れの時代にまちがいなく進みつつあるということである。

とあった。どこか今のCLIEの進化(あるいは私のCLIE遍歴)を見透かしているようでおもしろい。

*1:1988年初版